紅き瞳は何を写す
第八話 空に浮かぶモノ



ピンポ〜ン
玄関のチャイムが鳴り響く
「あっミサトさんとリツコさんかな?」
カレーをかき混ぜながら呟く
「碇君、悪いけど出てもらえる?今手が空いてないの〜」
レイはリビングにいるシンジに頼む
「・・・・うん」
シンジは見ていたテレビを消し玄関へと向かった。
「こんばんは〜シンちゃん♪」
「お邪魔するわね」
そう言うと両手にビールを抱えたミサトと鞄を肩にかけているリツコが入ってきた
シンジは無言で招く
「いらっしゃい、ミサトさん、リツコさん」
「こんばんは〜レイちゃん」
「お邪魔するわね」
「どうぞ、もう少しで出来ますから、座って待っていてください」
「へ〜レイちゃんって料理できたんだ〜」
「まあ、少しぐらいなら、それに私が作らないと誰も作れませんし・・・」
「シンちゃんは幸福者ね〜こんな良い奥さんがいて」
「えへへ〜そうですか〜」
レイが照れながら答える。
シンジの方に至っては無言である
「チェッ・・・からかいがいの無い子達ね〜」
「そうね」
ミサトとリツコは全く焦らない二人にぼやいた
「はいはい、出来ましたよ〜」
レイはカレーを順に並べていく
「どうぞ、召し上がれ」
「へ〜おいしいわね〜」
「ホント、おいしいわ」
「ありがとうございます」
そう答えるとレイは自分とシンジの分も取りに行き
テーブルに着いた。
「どう?碇君おいしい?」
レイがそう聞くと、シンジはコクンと頷いた。
「そう、よかった、いただきま〜す」
女三人集まればっと言ったところで、話は弾み
シンジはやはり終始聞いているだけであった。
「あっそうそう忘れるところだったわ、ハイこれ」
リツコは鞄から二枚のカードを取り出しシンジとレイに渡した
「え?」
「・・・」
「NERVのカードが更新されたのよ」
「あっそうなんですか・・・ありがとうございます」
「・・・・ありがとうございます」
シンジはレイの真似をしただけなのだがリツコとミサトは驚いていた。

(そういえば・・・『あの子』は碇君に・・・押し倒されたのよね・・・・それに胸も・・・)

レイは俯き顔を真っ赤にしていた。
しかし、シンジの成長を喜ぶミサトとリツコはそれに気がつかなかった。


「それじゃあ、明日の再起動実験がんばってね」
「はい」
ミサトの励ましに元気よくこたえるレイ
「それじゃあ、お邪魔したわね」
「いえ、また来てください」
リツコの言葉に誘いの言葉を返す
「またね〜」
「はい」
そうして、二人は帰っていった。


「綾波・・・」
それは、リツコとミサトが来た翌日
NERVの長いエスカレーターに乗っている時だった
珍しくシンジの方から声を掛けてきた。
「何?碇君」
「・・・今日の再起動実験」
「うん?」
「不安?」
レイはこの問いかけがとても嬉しく思えた。ぎこちなく言葉を紡ぐ彼は自分を心配してくれているのだ。
「う〜ん、ちょっと不安かな」
「そう・・・」
シンジは小さく呟き俯いた
「あっでも大丈夫!!ほらリツコさん達もフォローしてくれるし、大丈ぶぅ・・・!!」
シンジは無言のままレイを抱き寄せた。
「いっいかりくん!?」
「・・・不安な時はこうすると落ち着くって・・・」
「え・・・!?」
レイはシンジの本意がわかり、笑みがこぼれた。
「・・・・ありがとう・・・・碇君」
「・・・うん」
この光景は監視カメラにバッチリと写されて
父ゲンドウの『永久保存版!!シンちゃんとレイちゃんコレクション』の中に加えられた事はゲンドウ以外知る由も無い。



「これより、零号機の再起動実験を行います」 
リツコの声が、制御室に響く。
「レイ、準備はいいか」
ゲンドウの声が、それに続く。 
『あれ?お父さん、何か久しぶりね』
スピーカー越しのレイはキョトンとした感じで答えた
「うむ・・・お前に殴り飛ばされて以来作者にも忘れられていたらしい」
発令所の至るところでふきだし笑いを堪える音が聞こえる
『へ〜』
ここは、NERVの実験棟・制御室。
前回、第三使徒戦において零号機の暴走という結果に終わった起動を、再度行うのである。
「第一次接続開始」
「主電源コンタクト」
「稼働電圧臨界点を突破」
「フォーマットをフェイズ2に移行」
オペレーターとリツコの声が、矢継ぎ早に状況を伝えていく。
レイは、ギュッとレバーを握り締め意識を集中させていた。
零号機の起動に、なんとしても成功したかった。
(鈴原君だけに戦わせるわけには行かない・・・)
「パルス及びハーモニクス正常」
「シンクロ問題なし」
「オールナーブリンク終了。中枢神経素子に異状なし」
「1から2590までのリストクリア」
「絶対境界線まであと2.5」
「2.4」
「2.3」
「2.2……」

「綾波・・・・・」
シンジは不安のあまり俯いていた、また取り込まれたりはしないだろうかと・・・・
「シンジ・・・・」
「父さん・・・・」
「不安か?」
「・・・・はい」
「そうか・・・だが、レイはがんばっているその姿から目を背けるな
「・・・・・はい」
端っこのほうに座っていたトウジが声を掛けてきた。
「碇・・・」
「鈴原・・・」
「今は休戦や綾波の応援せな」
「ああ・・・わかってるさ」

「0.5」
「0.4」
「0.3」
シンジは、ギュっと拳を握り締める。
「0.2」
「0.1」
「ボーダーラインクリア」

「零号機、起動しました!」

ふうっとシンジは安堵のため息を吐く

と、次の瞬間、発令所にブザーが鳴り響く
冬月が近くの受話器を取り、原因を確認する
「綾波・・・使徒が接近中だ」
画面に映し出された使徒は立体的なダイヤで八面体をしていた
「そうか、赤木博士、3号機はどれ位で出撃できる」
リツコはゲンドウの質問に瞬時に答える
「480秒で出撃可能です」
『お父さん!!私も・・・・』
「零号機はまだ出撃には耐えん」
「お父さん・・・僕は?」
『碇君!?』
「シンジ・・・説明したはずだS2機関を取り込んだ初号機は・・・」
「なら!!」
ゲンドウの言葉を上からかぶせる
「僕は・・・・鈴原が戦闘に出るとき・・・見てるだけなの?・・・綾波が傷つくのを見ているしか出来ないの?」
静かに、しかしよく通る声が発令所中に響く
「・・・シンジ・・・」
「だったら・・・僕がチルドレンである理由は?僕には戦う力があるのに何も出来ないなんて・・・」
発令所を沈黙が支配する
ゲンドウがシンジに背を向け、沈黙を破る
「赤木博士・・・」
「はい」
「初号機の出撃準備を・・・」
「え・・・しかし・・」
「二度同じ事を言わせるな」
「・・・はい」
「父さん・・・・」
ゲンドウが振り返りシンジに言い放つ
「シンジ、そこで何をしている、出撃だ」
「はい!!」
シンジは今までに聞いた事がないほど元気な声で答えた。
そして、シンジは走って更衣室に向かう、その後をトウジが追いかける

「変わったな・・・シンジは」
冬月がゲンドウに呟く
「ああ・・・変えたのはレイだ・・」
「全く・・・子供には甘いやつだ・・・」
「フッ・・・・戦力は多いほうがいいと思ったまでだ」
その言葉が真意ではないことは発令所の誰もがわかっていた。
しかし、冬月はあえてこう答えた。
「そうか・・・なるほどな」
「・・・ああ」

『お父さん・・・』
「レイ、悪かったなシンジを戦場に送り出して」
レイは首を左右に振り
『ちょっと・・・見直したわ』
「・・・そうか」
少しだけ嬉しそうに見えたのはレイの錯覚ではないだろう


そして、参号機と初号機が出撃する・・・
ミサトが高らかに命令する
「初号機、参号機、出撃!!」

トウジとシンジにGがかかり地上へと打ち上げられる

「使徒内部に高エネルギー反応!」
突然、オペレーターの声が発令所に響いた。
ミサトが驚愕の表情でモニターの先に映る使徒を見つめた。
緊迫した叫びが続く。
「周円部を加速! 収束していきます!」
「まさか! 加粒子砲!?」
一瞬、使徒の体の境目が、煌めいた。

同時に二つのエヴァが地上に到着する
「二人とも避けて!!」
ミサトの叫ぶ
『え・・・』
『な・・・』

一本の光が片方のエヴァへと向かう

『うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁ』





あとがき

ええ〜とBARONです
あとがきって書くことがなくなってきました・・・
ですので今回からキャラクターたちに喋ってもらうことにしました。では!!




シンジ「BARONさん・・・手抜きですよ・・・」
レイ 「・・・・ええ・・そうね」
アスカ「そんな事より!!私はいつ出るのよ!!」
シンジ「あ!!アスカなんでいるのさ!?」
アスカ「なによ?いちゃ悪いわけ!!」
シンジ「いや、悪いってことないけど、今日の撮影アスカの出番なかったような・・」
レイ 「間違えたのね・・・」
アスカ「ちっちがうわよ!!ただバカシンジがへましてないか見に来てあげたのよ」
シンジ「そんな〜・・・でもアスカって暇なの?」
アスカ「違うわよ!!馬鹿!!このアイドルの私が暇なはずないでしょ!?」
トウジ「うっさいわ〜!!人が寝とるのに邪魔すんな〜ボケ!!」
シンジ「あっごめんトウジ起こしちゃった?」
トウジ「何、あやまっとんねんシンジ」
アスカ「そうよ、シンジ悪いのはこんな所で寝てるバカジャージじゃない」
トウジ「なんやと〜うっさいのはお前じゃい赤毛ザル!!」
アスカ「なんですって〜もう一回言ってみなさい!!バカジャージ!!」
トウジ「なんぼでも言ったるわ!!赤毛ザル!!」
シンジ「ちょっ、やめてよ二人とも・・・洞木さ〜ん」
レイ 「・・・・洞木さんは今日の撮影に来てないわ」
シンジ「綾波も止めてよ〜」
レイ 「碇君・・・やらせておけばいいわ、あっちでご飯食べましょ?」
シンジ「綾波!?」
レイ 「碇君のお弁当・・・それはそれは美味しい物なの」
シンジ「あ・・・ありがとう、綾波」
アスカ「あ〜!!こんな所でイチャイチャするな〜!!」
ミサト「いいじゃない、アスカそれとも妬いてるのかな〜?」
シンジ「ミサトさん!!」
アスカ「バカ言ってんじゃないわよ!!私がシンジを好きだったのは昔の話よ!!」
シンジ「そっそうですよ、ミサトさん、第一アスカには彼氏がいますし・・・」
ゲンドウ「うむ・・問題ない」
シンジ「父さん!?」
ゲンドウ「久しぶりだな、シンジ」
シンジ「何言ってるんだよ!!さっき一緒に撮影したじゃないか!!」
ゲンドウ「ああ、わかっているよ・・・ユイ」
レイ 「離れてください、碇指令」
リツコ「やはり、話に出てきた全員を参加させようとするのは無茶かしら?」
ミサト「そうね〜日向君と青葉君とマヤちゃん、名前すら出てこなかったし・・・三人で飲みに行ったらしいわよ」
リツコ「一番可哀想なのは青葉君よ、セリフは有ったのに名前が出てこなかったんですから」
シンジ「あ〜!!父さん!!綾波に近づかないでよ!!」
ゲンドウ「問題ない・・・レイ」
レイ 「ダメ・・・碇君が呼んでる・・・」
シンジ「ああ、お帰り、綾波・・・え〜と、まだ出てない人いるかな?」
アスカ「いないんじゃない?」
シンジ「そう?それじゃあ次回をお楽しみに〜!!」


冬月「全く、碇の奴、私に雑務ばかり押し付けよって・・・」



+続く+





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