紅き瞳は何を写す
第六話 君は誰に恋をする?




いつもと変わらない教室・・・
何の期待もない・・・・筈なのに・・・
なぜか、今日は心が高鳴る・・・
期待に心が膨らむ・・・
なぜ・・・

綾波・・・

やっぱり、綾波のせいかな・・・

綾波はこのクラスかな・・・
同じだよね、チルドレンなんだし・・・

でも、もしかしたら・・・
いや、ネルフがそんな失敗するはずないし・・・

しょうもない事で悩む、シンジ

(どうしたのかしら、碇君・・・なんか悩んでるみたい・・)
シンジを心配そうに見つめる女子が一人
「どうしたの〜?サクラ、碇君を見て」
シンジを見つめていた少女、愛咲サクラは呼びかけれて、ようやく気が付いた友達に返事をした。
「えっ!!なっ何!?」
「何じゃないでしょ〜もう、ホント碇君にご執心ね〜」
「ちっ違うわよ、ヒカリ!!ただ、わっ私は碇君元気ないなぁ〜って」
「ふ〜ん、よく見てるのね〜」
「べっ別に、ただ視界に入ってきただけで・・・」
「へぇ〜そう〜」
ニヤニヤ笑いながらサクラで遊ぶ洞木ヒカリ
「それよりさ〜、彼の方はどうだったのよ〜ヒカリ、愛しの鈴原君は、昨日もいったんでしょ?お見舞い」
「えっ!?」
サクラは反撃を開始した。
「ね〜どうだったのよ〜」
「えっ!!いや、その・・・あっそういえば・・・すっ鈴原がね、元気が無かったのよ」
「ふ〜ん・・・そう・・・大変ねぇ・・
まっ鈴原君だって人間なんだからそういう日もあるわよ」
「でっでも・・・」
ガラガラ・・・
「ほら、先生が来たわよ、委員長?」
「きっきりーつ、礼」
サクラの声に反応して、話を中断し号令をかけるヒカリ
「えー、今日は転校生がいます、入ってきなさい」
老教師の声を合図に一人の女子が入ってきた。
その女子は笑顔で教壇まで歩くとペコリと頭を下げ
「綾波レイです。よろしくね!!」
その瞬間、男子の歓声が上がった。
「えっと、何か質問のある人〜?」
レイは元気よく尋ねた。
ほぼ全員が手を上げていた。
「う〜ん、どうしようかな・・・あっ!!」
レイは見知った顔を見つけ、その少年を指名した。
「はい!!碇君!!」
クラスの全員が驚き、シンジの方を見ていた。
「えっ!?僕?」
手を上げていないにも関わらず、指名してきたレイに驚き、聞き返した。
「そう、碇君、私について何か知りたいことは無いの?」
「え、ええっと・・・」
「いっ碇君・・・酷いわ・・・私の事なんて興味ないのね・・・」
明らかに芝居とわかる感じで泣き真似をしていた。
「ちっちがうよ、綾波!!ただ僕に当てられると思わなくて・・・」
シンジは席から立ち上がり動揺していた。
(引っ掛かってる・・・天然か?・・・)
(碇〜、お前、綾波さんとどんな関係なんだ〜〜〜!!)
(碇君が動揺してる、あんなに感情の無い碇君が・・・)
(売れるぞ〜〜)
(いっ碇君が〜〜碇君が〜〜〜私の〜〜〜)

二人程を除き、約半数がシンジに嫉妬し、残り半数はシンジが感情を表した事に驚いた。
シンジがエヴァンゲリオンのパイロットである事は、トウジが言いふらしたため秘密などではなかった。
しかし何を話しかけてもほとんど返事をして来ないため英雄とはいえど、人気はさほど無かった。
その反動なのか、トウジの男子からの人気は凄まじい、女子からも人気はありはするが、恋愛感情までいっているのは、現在のところ一人である。
「じゃあ、何か聞いて?」
「えっ・・・え〜と、趣味は?」
「う〜んとね、料理と読書・・・かな?他に質問ある人〜」
全員固まっており、レイに質問できる者は居なかった。
「あれ?いないの?」
「それじゃ、碇君と知り合いのようですから、碇君の隣に座ってください
ちょうど空いていますし・・・」
「はーい!!」
レイはクラス中の視線も気にせず、まっすぐシンジの隣の席に向かい、
「よろしくね!!碇君」
と言いつつ、着席した。
「え〜では、授業を始めます」


授業中、レイのパソコンに電子メールが届いた
<エヴァンゲリオンのパイロットなんでしょ?Y/N>
(うわ〜どうしよう〜答えていいのかな〜?)
<大丈夫、大丈夫、鈴原君も、碇君も、パイロットなのは公然の秘密なんだから>
(な〜んだ、そうなんだ〜それじゃ・・)
<YES>
その瞬間、ふ〜んというような、納得のいったような声がクラスのあちこちから聞こえてきた。
<碇君との関係は?>
レイは予め考えていたシナリオを打ち込み始めた。
<う〜んとね〜ちょっと長くなるけどいい?
私と碇君は義姉弟なの、碇君が小さい頃に両親が亡くなって
碇君をお父さんが引き取ったので、その後
碇君は第三東京市で
私は第二東京市で暮らし始めたの、お互いの存在を知らずにね・・・
で、四日前にここに呼び出されて、義姉弟って事を教えられたの
エヴァのパイロットって事もね・・・>
みんな、納得がいったようで、パソコンの画面から目を離し周りの友達と話し始めた。
<ふ〜ん、碇君と綾波さんって姉弟だったんだ〜私はてっきり・・・>
<でも、あくまで義姉弟だから、結婚はできるわ!!>
「「「「「「えええ〜〜〜〜〜」」」」」」」
クラスのほぼ全員が立ち上がり、男子はシンジ、女子はレイの所へ集まりだした。
「碇〜てめーー殴られろ〜〜〜」
「碇〜〜〜〜〜天誅〜〜〜」
「裏切り者には死を〜〜」
シンジはパソコンを見ていなかったため、何のことで怒っているのかさっぱりだった。
「綾波さん!!さっきの本気〜〜!?」
「キャーーすごーい」
「嘘だって、嘘だと言って〜〜〜」
レイは驚きながらもニコニコしていた、しかし約一名が殺気を放っていることには気付かなかった。


そんな、騒動がありつつも、無事昼食時間
「碇く〜ん、ご飯だよ〜ご飯〜」
レイは上機嫌にシンジに呼びかけた。
「うん」
レイは机をシンジの机にくっつけて弁当を開け始めた。
「綾波さん」
「あなたは・・・」
「あっ私、洞木ヒカリ、よかったら私たちも一緒に食べていいかな?」
「レイでいいわよ、それじゃ、一緒に食べよう、ねっ!碇君!?」
「うっうん」
「ありがとう、じゃあ、私もヒカリって呼んで」
「私は愛咲サクラ、私もサクラってよんで」
挨拶も終わると、サクラはシンジの前の席をヒカリはレイの前の席を反転させ、シンジ達の席にくっつけていた。
そんな、感じでいつの間にやら、美少女に囲まれた昼食時間を取ることになったシンジ。
ああ、男子たちの目が狩る者の目に・・・
シンジに明日はあるのか!?





あとがき

ええっと、すいません
パソコンが不調だったので修理に出したところ
OSを変えられてしまい、書いていたものが全てパーになってしまいました。
でも、パソコンは直ったので、週一ぐらいで行きたいと思います

ええっと愛咲サクラちゃんですが、完全オリジナルです。
レイのライバルを一人だけ作りたかったんです。
ヒカリは当然トウジだし、アスカは最初はいないため
急遽、サクラを作りました。
彼女の恋が実ることは、まあ、120%ありませんが・・・
どうか、彼女も愛してやって下さい。

短くてすいません



+続く+





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