紅き瞳は何を写す
第五話 家族の証



朝日が差し込み、ほのかな明かりの暖かさを感じる頃
トントントン・・・・あるマンションの一室、まだ目覚めぬ家族の為に一人の少女が朝食を用意していた。
「よし、出来た♪」
三人分の朝食と弁当ができ、少女はご機嫌に家族を起こしに行った。
少女はドアの前に立ち、先日3年ぶりの再会を果したばかりの父を起こそうと思ったが、僅かに緊張していた。
父とは5歳の頃から別居しており、彼女の記憶の限りでは自分が父を起こすのは初めてであった。
(よし!!)
彼女は自分に気合を入れ、ドアに向かってノックをした
「父さ〜ん朝ご飯できたよ〜。起きて〜」
その直後に答えが返ってきた。
「うむ、すぐ行く」
(なんだ、起きてたのか)
少女は、安堵と落胆の感情が半分づつ自分にあることに気が付き、少し驚いた。
そして、次は弟のような、想い人のような、不思議な存在の彼を起こしに・・・
父の時とは違い、まだ寝ていて欲しいという希望が遥かに高かった。
「碇く〜ん、朝ご飯、出来たよ〜起きて〜」
数秒待つ
「あれ〜碇君おきてないの〜?しょうがないな〜入るよ〜?」
とても、起こす気があるとは思えない小さな声で呼びかける。
そして、とても嬉しそうに、しょうがなく部屋へ入っていった。
部屋に入ると、寝相がいいのであろう、全く布団が乱れておらず、綺麗なままであった。
(うわ〜碇君、すごいなぁ〜)
彼女は自分の起きた時の布団の様子を思い出し、驚きの溜め息をついた。
彼女は、寝ている少年に近づき寝顔を覗き込んだ。
(綺麗・・・女の子みたい・・・)
線の細い、その少年は僅かな微笑みをたたえながら、眠っていた
少女は、その雰囲気にさっきまでの元気な声ではなく、優しくとても優しく声を掛けた。
「碇君・・・起きて・・・」
「う・・うん・・・綾・・波さん?」
「朝ご飯・・できたよ」
「うん・・・分かった・・・」
そう言うと、レイは顔が物凄く近いことに気が付き顔真っ赤にして、走っていった。

レイがダイニングに来ると、ゲンドウは既に朝ご飯を食べ始めていた。
「ちょっと!!お父さん!?」
「なっなんだ!!・・レイ」
どもるゲンドウ
「なんで、勝手に食べ始めてるのよ!?」
「なっ何故いかん?」
「全員揃ってないのに食べちゃだめでしょ?」
「レイ、意外と古臭いな・・・」
「なんですって〜!!どうせ私はお爺様と実の親より長い間住んでたんだモノそりゃ婆臭くもなるわよね!!」
「いっいや!!そういう意味で言ったんじゃなくてな?そのなんというか・・・・」
「問答無用!!」
「ひひいいぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁっぁ・・・・・・・!!」
ゲンドウは家の中に居たはずなのに、なぜか身体は空を舞い、彼の後方には朝日が輝いていた。
「あっ!おはよう〜碇君」
「・・・おっおはよう」
「さっ座って〜ご飯食べよう〜」
「うっうん・・・あの綾波さん・・・」
「なに?碇君」
「綾波司令は・・・」
シンジの疑問に、レイは全く汚れの無い満面の笑みで答えた。
「碇君、世の中知らない方が良い事もあるわ」
「そっそうなんだ・・・」
「それと、お父さんは私達の『お父さん』なんだからね!!『綾波司令』何て言っちゃダメだよ?約束したじゃない!!」
「・・・うっうん」


話は一日前に遡る・・・

レイはシンジと共にリツコに零号機に取り込まれた時に起こった事を説明していた。
しかし、なぜかもう一人の自分については言う気がせず、無理やり納得させた。
シンジはもう一人のレイの存在に気づかなかったようであった。

二人はリツコの部屋を出て、レイのフォースチルドレンとの顔合わせする為に病室に向かっていた。
「ねぇ碇君」
「何、綾波さん」
「フォースってエヴァの実験か何か怪我したの?」
「いや、自業自得だよ」
「なにしたの?」
「食中毒」
「そうなの・・・」
レイは苦笑気味になんとか返事を返した。
「うん」
「フォースは、男の子?女の子?」
「男だよ」
「ふ〜ん・・・カッコイイ?」
この質問をした後、シンジは少し不機嫌そうな顔をして黙ってしまった。
「碇君?どうしたの?」
「・・・・・・・・」
「碇く〜ん?」
「・・・・・・・・」
「何か変な事、聞いちゃった?私」
「着いたよ」
「えっ!ああ、うん」
レイは病室に着いた事に気づき、ノックを二回して中から入室許可の声が聞こえたので、中に入っていった。
病室の中にはスポーツ刈りの少し日焼けしている、いかにもスポーツ少年と言うような男子がベッドに座っていた。
「私、サーチルドレンの綾波レイ、よろしく」
レイは笑顔で自己紹介した後、握手を求めた。
「ワッワイはフォースチルドレンの鈴原トウジや、よろしゅう」
トウジは少し頬を赤く染めて、手を差し出した。
その様子をシンジは冷めた目で見ていた。
「ん?そういや、な〜んであとから来たレイさんがサードで、ワイがフォースやねん」
「私、昔身体が弱くて病院にずっと入院していたのよ、その間にサードに認定されたの、でも私は病弱だから、身体が丈夫になるまでは待とう・・・って事で」
「そっそりゃ・・・すんまへん」
「いいよ、気にしてないから」
「おおきに、せや、シンジに話があったんや」
「何?」
「あっすんまへんレイさん、席外してもらえまっか?」
「あっうん」
レイは病室の外に出ていった。
(う〜ん、なんの話だろ?・・・まさか愛の告白!?・・・まさかね・・・)
レイは気になりドアに耳をあてようとした、その時、中から耳をあてる必要のない程の大きな音が響いた。
バキッ!!
「あほんだら!!あれほど無茶すんなゆうたろうが!!」

一瞬の空白
「その結果が、あの来たばっかのオナゴを乗せるはめになったんやろが!!しかもレイさんまで取り込まれたって聞いたで!?」
レイは急いで、病室の中に入っていった、そこには怒りで顔を真っ赤にしたトウジがベッドの上に立っていた。
そして、シンジは壁際で片膝をついていた。
入ってきたレイを見た二人は言い争いをやめて、トウジはベッドに身体を沈め、シンジは立ち上がった。
「出てってくれ・・・」
「言われなくても分かってる、行こう、綾波」
「あっうん、またね鈴原君」
レイはシンジに引っ張られていた為トウジの返事を聞く事が出来なかった。



レイはシンジに引っ張られるままに無言でついていった。
シンジはネルフ内にある自販機コーナーで止まりベンチに腰掛けた。
レイはシンジの口から流れる血を拭きながら口を開いた。
「シンジ君、無理したってどういう事・・・?」
「・・・・・僕は・・・・シンクロ率を自在にコントロール出来るんだ」
「えっ!!それって・・・」
「でも・・・シンクロ率を400%以上までいくと、限界近くの力を手に入れる代わりに自我が保てなくなるんだ」
「そして、身体が取り込まれる・・・」
「そう、でも今回は君のお陰で帰ってこられたけど、下手すると帰って来られない可能性もある」
「なんで、そんな事・・・」
「僕が、負けたら綾波司令に捨てられると思ったんだ・・・」
「そんな事、お父さんはしないよ・・・」
「うん、わかってるよ」
「そうだ!!私達一緒に住むの知ってるでしょ?」
「うん」
「だから、私達は家族、家族なんだから『綾波司令』なんておかしいでしょ?だから碇君も『父さん』って呼ぶの!!」
「えっ!?・・・いいの?」
「うん、もちろん」
「ありがとう・・・・」
(僕にも『家族』が・・・)
二人は更に距離を縮め、新しい家へと帰っていった。
余談ではあるが、シンジがゲンドウに対し初めて『父さん』と言った時、ゲンドウは涙を流しながらシンジを抱きしめたと言う・・・



オマケ
「そういえば、碇君、なんで途中から不機嫌になったの?」
「わからないけど、鈴原と仲良くしているのが嫌だったんだ・・・」
「碇君・・・・カワイイ!!」
「うわっ・・・イキナリ抱きつかないでよ」
「うふふ、い〜や」



あとがき

いや〜レイがなんでサードなのか理解してもらえたでしょうか?
トウジは既にフォースだから妹の事では殴りませんよ〜
ええっと、アンケートです。マナ、マユミ、ムサシ、ケイタは出して欲しいですか?
また、出して欲しい場合
戦自関係で出して欲しいか、ただの友達として出して欲しいかも、書いてください。
ただの友達としてが多い場合、使徒の出現率が極端に低くなると思います。(五話に一人ぐらい・・・)
また、エヴァのパイロットには絶対にしません。NERVが強すぎになるので・・・
あと、個人指定でも構いません、マナだけ!!とかムサシとケイタだけ!!とか
今後共によろしくお願いします。あと感想を送ってくれている皆さん返事を送れなくてすいません
遅れながらも、お返事していきたいと思います。
今後ともご愛読よろしくお願いします。



+続く+





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